楽農アカデミー 初の講義と実習を実施しました。
2023.05.17

「楽農アカデミー」の初の講義を5月13日、受講生24人が出席して神戸学院大学 有瀬キャンパスで実施しました。]

農業高校で教えた経験のある、神戸学院大学 現代社会学部の菊川裕幸講師が「農業の基礎知識」と題して、農業を取り巻く現状や自身の農業との関わり、農薬も化学肥料も使わない有機農業と、一定程度は使用する従来の慣行農業の違い、苗の選び方などについて講義しました。

菊川講師は、まず、「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」という農学者・農業経済学者で、東京農業大学初代学長も務めた横井時敬の言葉を紹介し、アカデミーのプログラムも「実学」重視の実践主義で進めていきたいとの方針を示しました。

有機農業と慣行農業のメリット、デメリットについては受講生に意見を聞くと、「果樹の栽培で農薬を全く使わない有機栽培は難しい。理想と現実は違う」「収益はまだわずかだが、信念を持って有機農業に取り組んでいる」などと、さまざまな立場や考えがあることが分かりました。菊川講師は環境への負荷や食料の確保など、考慮すべきさまざまな問題を指摘し、今後も受講生の間で意見交換していくことになりました。

さらに、肥料の3要素(窒素、リン酸、カリウム)と表示の見方や、良い苗と悪い苗の見分け方、野菜苗の畑の土への「定植」についても学びました。

午後からは、神戸市西区井吹南の農地に移動して、JA兵庫六甲の職員や井吹南営農組合に所属するプロの農家の指導で初の実習を行いました。

まず、農具の取り扱いなどについて説明があり、畝の谷上げ(畝と畝の間に落ちた土をクワですくい上げ、畝に戻す作業)を行いました。畝には「ブラックマルチ」シートを敷き、キュウリの苗を定植しました。他の畝にはミニトマトやトウモロコシを定植しました。それぞれの野菜で必要な株間の長さや植え方のポイントについて指導を受け、約40メートルにわたる15本以上の畝に野菜の苗を植え付けました。

トマト栽培の支柱立て、キュウリ栽培のネット張りなども終え、農業の基本作業を一通り行うことができました。少し冷たい雨に降られましたが、作物にとっては恵みの雨です。今後定植した野菜の管理を約2カ月間行い、高品質野菜の収穫を目指します。